脆弱な燃料プール(2)

11月22日未明福島沖を震源とするM7.4の地震が発生。
福島県内で最大震度5弱を記録。

この地震で東電福島第二原発3号機の使用済み燃料プール(以下燃料
プールまたはプール)の冷却が1時間半に渡って停止した。
東電はプールに併設されているタンクの水位計が、揺れに伴う水位変化を
「水位低下」と判断したためと説明。
午前6時10分水位低下の警報が出て、冷却用の循環ポンプが自動停止。
東電は漏れなど異常がないことを確認し、7時47分にポンプを再起動させ
冷却を開始したと発表。
1時間半の冷却停止で燃料プールの水温は28.7度Cから29.5度Cへと
1度C弱上昇し、運転管理制限限度の65度Cまでは7日間の余裕があり、
問題なかったとした。

脆弱な燃料プールに続く第2弾

『脆弱な燃料プール』は以下ご覧ください。
http://nimosaku.blog.so-net.ne.jp/2016-12-23

以下たんぽぽ舎のメルマガの一部を転載


5.燃料プールを大地震が襲ったら?

11.22福島沖地震はM7.4で阪神淡路大震災よりも大きいものでしたが、
3.11東日本大震災の「余震」であり、気象庁は今後もM8、M7クラスの
余震が心配されるといっています。地震学者の島村英紀さんは、M9クラ
スの大地震の後は100年位はM8クラスの余震が続く可能性があるといい
ます。

燃料プールは、システムとして脆弱であり、また施設自体の強度もな
く、大きな地震で倒壊してしまう可能性があります。プールが倒壊すれば
破滅的事態が予想されます。冷却水が失われるとプール周辺の何100メー
トルもの範囲が人が近寄れないほどの高いガンマ線に曝され、何もなすす
べがなく、プール内の核燃料はメルトダウンする危機に直面します。プー
ルの使用済み燃料が異常に加熱されれば、燃料被覆管のジルコニウムと水
が反応して生じる水素の爆発、ジルコニウムの酸化による火災発生の恐れ
もあります。

燃料の間隔が変形や溶融によって狭まれば臨界に達し、核分裂連鎖反応
が起きかねません。いずれにしても厖大な放射性物質が放出され、福島第
一原発事故かそれ以上の大惨事になる恐れがあります。


6.再稼働で使用済み燃料増え続ける

今,国内の原発は,川内2号、伊方3合を除いて停止しています。
3年以上停止している原発の使用済み燃料の放射線量と発熱量は燃料をキャス
クに入れて空冷で貯蔵、移送できるまでに減衰しています。使用済み燃料
発生初期に比べれば、危険性が格段に低くなっているのです。

しかし,原発再稼働を促進すれば、放射線量、発熱量の高い使用済み燃
料を次々と生み出し続け、それがプールに搬入され、過酷事故の確率は格
段に高くなります。

現在,日本の使用済み燃料は17000トン以上貯まり、原発の燃料プール
と六ヶ所再処理工場の保管スペースを合計した貯蔵容量の73%が埋まっ
ていて、再稼働が進めば数年後には満杯となります。
再処理工場完成の目途が立たず、再処理の操業ができないので再処理工
場の一時保管スペース(容量3000トン)の貯蔵量は2954トンで殆ど満杯に
達しています。

福井県にある原発13基が持つ燃料貯蔵施設の容量は5290トンで、その7
割近くが埋まっています。高浜、大飯、美浜の原発が再稼働されれば7年
程度で貯蔵限度を超えるのです。
高浜3,4号機運転差し止め、大津地裁仮処分決定に対する抗告審の決
定が来年2月にも出されようとしています。

使用済み燃料の各原発サイトでの保管が限度に近づきつつあります。
むつ市に中間貯蔵施設を作っていますが、たとえこれが操業開始をしても
原発が稼働し続ける限り、使用済み燃料処分問題は永遠に解決しません。
使用済み燃料問題、つまり放射性廃棄物処分問題は原発のアキレス腱で
す。この観点からも再稼働に反対していかなくてはなりません。


7.地震で原発排気筒倒壊リスク

福島沖地震で燃料プールの冷却が一時止まり、再び大きな原発震災が起
きる可能性をつきつけられました。廃炉作業中の福島第一を再び大きな地
震が襲ったら、3.11以上の惨事になりかねません。燃料プールを含め、す
でにボロボロのあらゆる建屋、設備が崩壊する危険があります。

1号機と2号機の間にある高さ120メートルの排気筒が倒壊するリスク
も大問題です。「」女性自身12月5日号」がこの問題を取り上げました。
福島第一原発事故の際、この排気筒から高濃度の放射性物質を含む蒸気
を放出(ベント)したため現在も内部は高濃度(100兆ベクレル)に汚染
されたままです。

この排気筒を支えている骨組みの溶接部分5カ所が破断(地上66m)、
さらに3カ所が変形していることが2013年東電の調査により判明。これ以
来大地震が来れば倒壊するリスクが懸念されてきました。排気筒は、日々
潮風にさらされるため腐食が進んでいます。配管付近の地表面は2011年8
月の調査で最大毎時25シーベルトを記録し、人間が近付けません。

排気筒が倒れたら内部の高濃度放射性物質が放出され、所内の作業員は
内部被曝し、粉じんが風に乗って遠方まで飛ばされたら、人や土地、農作
物が再び広範囲に汚染されてしまいます。
排気筒が倒れる時、1号機や2号機の原子炉建屋を直撃して破壊してし
まう可能性があります。プールが破壊されれば、先述したように冷却水喪
失から過酷事故を招来します。

東京電力は排気筒について、「解析モデルで耐震性を計算した結果、東
日本大震災レベルの地震動に耐えられる安全性があることを確認していま
す。(破断がある)現状でも同程度の地震動に耐えられることを確認して
います」と何とも矛盾したデタラメなことをいっています。

東京電力は「比較的線量の低い上層部分のみ、18年度から解体していく
予定」とのことですが、それまでに大地震・大津波が起きないという保障
はありません。
原発を稼働するということが事故後もあらゆる惨事を招き寄せるという
ことをあらためて思い知ります。

今、政府・経産省はこんな事故を起こした東京電力に何の責任も取らせ
ていないばかりか、国民全体にツケをまわしてさらなる東電救済、原発保
護策の悪だくみを画策しています。東京電力を破綻させ、責任を取らせる
ことが原発廃止への道です。(了)

 










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