国連科学委員会の内部被ばくの矮小化?

国連科学委員会(UNSCEAR)2020レポートの吸入摂取の内部被ばく線量はI-131やI-132はCs-137からの比率をもとに推計(計算)している。しかも原発事故後放出されたCs-137とI-131の放出量とその比率は、日時で大きく異なる。
UNSCEARがそのままリファーしているJAEAのTerada論文(レポートの26~29参照)によると、Cs-137とI-131の原発からの放出線量の高い3月13日~19日は、その比率が10倍から50倍程度、放出線量が低くなった3月20日以降は最大で700~800倍にもなっている。

但し、UNSCERARは線量の高い時期のほうが被ばくが大きいとして、その比率はI-131で10倍、Te-132(I-132)で20倍程度??(ここが核心部分)で計算している可能が大きい。(UNSCEARに公開質問中)

この比率がどのように被ばく線量に影響あたえたのかのTableA13の計算過程(式)を開示させる事が重要。これによって吸入摂取による内部被ばくは大きく異なってくる。

2020レポートにおける吸入摂取の内部被ばくに関し、専門家会議に実際に参加された方から以下のような回答を得た。(『  』内)
『TableA13の計算過程は、かなり複雑ですし、私自身は一つ前のTakagiらの論文と同様の方法(それ以前の放医研Kimらの論文も同じ)がとられたはず、という以上の情報を持っていないのですが、確かにこれではブラックボックスですので、方法(考え方)をより詳しく知りたいという
要求は理解できます。

恐らく、先に公開されたレポート本体以外に、詳細な補足説明ドキュメントが公表されるのではないかと思いますが、それらも恐らく専門家向けに書かれるので、地域の方々にわかるようなレポートを作成してほしい、という要望を出されることはありうると思います。UNSCEAR自身や
日本の関係者がそれができない場合には、××さんや私ができる限りお手伝いする、ということになるのだと思います。』

『I/Cs比が、(10から大きく離れて)内部被ばく線量を過小推計していないかを確認するために、多方面から解析してきました。その結果、I/Cs比の高さが、内部被ばく線量を懸念するレベルに高めた可能性があるのは3/12午後の北方向へのプルームと、3/16未明の南方向へのプルーム(注1)と考えています。

後者についてはUNSCEAR2013でかなり安全側(過小推計にならないように)の推計がなされており、2020では下方修正されています。3/21午後~3/23には、I/Cs比は100を大きく超えているのですが、濃度の絶対値がそれほど高くないため、線量としての寄与は、たとえ比が10であっても、濃度の高い日時のほうがより重要というのが、上記論文も含めた総合的な所見です。
3/12午後は、濃度が高く、かつI/Cs比も10を大幅に上回っていたので(注2)、これが最重要であると考えていますし、そのことはUNSCEAR専門家会議でも強調していました。』

注1:これが最大のプルームでI/Cs比は約40倍~50倍程度(小生追記)
注2:これが2番目に大きなプルームでI/Cs比は約30~40倍程度(小生追記)

結局のところUNSCEARはI-132は10倍、I-133とTe-132は20倍で計算しているという事か?低線量で長期間さらされた(倍率は最大で400~600倍)時間帯を考慮しないと正しい被ばく線量になりません。逆に低線量(3月19日以降)の時期の被ばくのほうが影響大かもしれない。

『ベースケースをI/Cs=10としたうえで、3/12午後のプルームは30、3/16未明のプルームは50、3/21午後~3/23のプルームは350と設定した場合に、どの程度数値が変化するか計算しています。この論文は、残念ながらUNSCEAR2020には間に合いませんでした。』

ずばりUNSCEAR2020レポートにおけるTable A13の数値の具体的な計算過程(計算式)を開示させる事が重要。代表的な例としてUNSCEARレポートのTable A13のシナリオ04(双葉町民)、シナリオ22と23(津島住民と浪江町民)そしてシナリオ29の小高住民の計算方法(式)を開示させる事です。またこのTable A13の中のProjectedとAvertedの定義も明確にする必要がある。

また短半減期のI-132やTe-132をどう評価したのかが明らかになっていない。

最も放出放射線量が高かったのは3月16日の未明です。未明はいわき方面に風が吹いていた。ただし10時頃には福島市方面に流れが変わり、これが17日まで長時間続いた。(福島市内のほうが被ばく大)。
従い、3月16日のいわき市内、福島市内の県立高校の合格発表時の中学3年生の吸入被ばくはどれほどだったのか?屋外に3~4時間(駅から学校までの徒歩の時間も含めて10:00~14:00頃)程度は屋外にいたものと推定。詳細は以下をご覧ください。
   https://togetter.com/li/643149

来年1月下旬~2月上旬に日本で開催予定のUNSCEARの説明会では十分な質疑応答はできないはずで、可能ならUNSCERA2020レポートに関与した方に参加いただいた公開討論会の開催が必要。

尚、レポート作成にあたり、日本人作業グループは放医研(一人は現在国際医療福祉大学)3名とJAEAと放影研。放影研から一人出ている事に驚き。放影研は広島・長崎原爆による黒い雨訴訟や残量放射線、そして内部被ばくを掩蔽してきた。その経験や知恵を福島原発事故の内部被ばく掩蔽の為の活用する為なのかと勘ぐってしまう。
  










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