トリチウム汚染水は分離できる

以下はある元東大教授のフェースブックから転載。

菅独裁政権による民意を無視した汚染水の海洋放出正式決定を受けて,昨年のパブコメに書いた意見の中から一部を再掲します.大型タンクや,モルタル固化による陸上保管といった実現可能な代替案に加え,トリチウム除去も実現可能な技術が登場しています(近畿大学の除去装置は補助金が打ち切られて頓挫したと今朝のTBSラジオ).
 
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福島第一原発で発生した汚染水の海洋放出は絶対に容認できない
その6 多段蒸留法によるトリチウム除去装置を導入すべき

朝日新聞6月22日朝刊福島面(17ページ)に,「処理水のトリチウム分離可能」と題する記事が掲載された.ほぼ同じ内容の記事は,同日のデジタル版(以下のURL)に「第一原発、処理水のトリチウムは分離できる?」と題して掲載されている.
https://digital.asahi.com/articles/ASN6P6QV8N5YUGTB01H.html

水を蒸発,冷却して凝縮させた時,軽水の沸点100℃に比べてトリチウム水の沸点がわずかに高い101.5℃なので,ごくわずかなトリチウム水の濃縮効果が得られる.この装置はこの原理を利用し,350段もの蒸留を繰り返すことで99%以上のトリチウム水を回収し,高濃度に濃縮させるものである.トリチウム水の濃縮は電解法や,近畿大学が開発した多孔質体による方法が知られるが,そうした中で蒸留法は技術的に最も単純なものであり,実用化に向けてのハードルは極めて低い.

そもそもこの装置は,汚染水対策に取り組む経産省が2014年に国際公募したトリチウム水の分離試験事業に採択されたものの一つでロシア企業が開発した.試験では経産省が求めたレベルの5倍の分離性能だったという.そして蒸留塔を40本に増やすなどして,試験の100倍の1日480トンが処理できる実用施設を政府に提案している.ここまで実用性がある装置ができながら,この分離技術は政府内で十分な議論がされなかったという.

試験からまもない16年6月,経産省の専門家による会合「トリチウム水タスクフォース」は「直ちに実用化できる段階にある技術が確認されなかった」と早々と結論づけ,以後は海洋放出などの議論に移ったという.これが事実なら国民感情として許しがたい.経産省は「更なるデータ取得が必要であることに加え、実プラントには、長期運転や安定性の試験も行う必要がある」と説明したというが,4年もあればそれらの課題がクリアされ,実用化段階に至ったことも十分考えられる.

いったい何のために国費を使って試験を行なったのか!最初から最も安上がりの海洋放出ありきで,その後の検討はポーズに過ぎなかったのではないのか.事故を起こした責任ある立場として,周辺住民,漁業者はもちろん,事故処理を懸念する国際世論に対する犯罪行為とさえ言える.

この単純な装置はトリチウムさえ除去できるのだから,他の核種の混入は全く問題にならない.ひょっとするとALPSさえ無用かもしれない.トリチウムなど放射性核種が試験結果の通りに除去できれば,確実なモニタリング体制を整えた上で海水希釈することなく放出しても問題ない.これなら風評被害など起こりようがない.

濃縮されたトリチウム水は,体積が6000分の1になるという.これなら減衰するまでの長期保存も容易である.費用もたかだか790億円だという.ある程度膨らんだとしても廃炉経費に占める割合はわずかなものでしかなく,全く問題とならない.この装置の存在はすでに世間に知れ渡り,もはや隠しおおせるものではない.断固,導入すべきである









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