汚染水処理問題は破たんしつつある

以下はタンポポ舎のメルマガの一部を転載
トリチウム汚染水の処理(海洋放出)も破綻しつつある。


【破綻しつつある!アルプス(多核種除去設備)処理水問題】

12月8日、東電は「汚染水をためるタンクが3年後には満杯になる」
の見通しを明らかにした。翌日、各紙は一斉に報道した。
この問題の背景にあるものを探った。
第一原発で汚染水浄化後に残る放射性物質トリチウムを含む水の処理
方法を議論する政府小委員会の山本一良委員長(名古屋学芸大副学長)
は3日、同原発を視察し、長期保管を前提とした議論を9日から始める
考えを明らかにした。

東電はそれにあわせる形で様々な発言をしている。
それは次のようになる。
1.トリチウム保管タンクは現在、約115万トンである。
2.1日当たりの発生量約170トン(2018年並み)とした場合、2022年
  夏頃まで137万トンになり満杯になる。
3. 2016年政府の作業部会がまとめた報告書「海洋放出、地層処分、
  水蒸気放出、地下埋設」の5つの選択肢の他に「長期保管」は廃炉作業
  が困難になる可能性があり難しい。
4.昨年、公聴会で出された案「10万トン大型タンクなどに置き換える
  方法も、破損した場合、漏洩量が莫大になる可能性があり困難である。
  保管場所もない。
5.中期保管を続けた場合、許認可手続き、工事など年単位の準備期間
  が必要であり難しい。従って「海洋投棄以外に選択肢はない」が結論だ
  と主張したかったのだろう。

ところが、原子力規制委員会が第一原発の廃炉作業を監視するため
の会議、第72回・特定原子力施設監視・評価検討会の場で次のような
やり取りがあった。

・規制庁~多核種除去設備等処理水の説明をして欲しい。
・東電~2018年度に行った62核種の詳細分析の結果、不明核種である
 「C-14」(カーボン14)「Tc-99」(テクニチウム99)が有意に検出
 された。原因は吸着剤の性能低下にあると判断している。
 アルプス処理水処分に当たり、環境放出する場合は二次処理(再処理)
 を実施することとしている。

以上のように、新たに不明核種、カーボン14とテクネチウム99が見つかった。

更に…

・東電~今後、タンク群を分析する場合はカーボン及びテクネチウムを
 含めて9核種について全てタンクごとに分析し確認してまいりたい。
・規制庁~放射線について我々が専属チームを結成し本件調査が
 始まった。東電の測定は十分でなかった!今後、何か対応策を考えているのか?
・東電~現在、JAEA(注2)の協力を得て人材育成計画、人材
 確保を行っていきたい。
・規制庁~今年1月にタンクの調査を行うように言ってから5ヶ月も
 かかっている。凄く測ることに時間がかかるということなのか?
・東電~専門的知識が必要になる。それが出来る人間は非常に限られた
 人物になる。一つのタンクを分析するのに2~3週間を要しているのが
 現状である。

・規制庁~すぐに出来る人物を呼んできてもらうということをやって欲しい。
・東電~カーボン、テクネチウムの測定については即・出来る人間を
 教育して増やすようにして行きたい。
・規制庁~カーボン、テクネチウムの他いろいろ混ざっている可能性が
 あるのでは…東電の測定が正しいんだろうか?そういう疑念が沸いてくる。

・東電~出来ることと出来ないことをきっちり整理して、出来ること
 からやっていきたいと思っている。
・資源エネ庁~地元の皆さんが(県民が?)非常に高い関心を持って
 いることを考え、人員が不足したらそれを理由にせず、しっかりと対応
 してもらいたい。

少し長くなったが、多核種除去設備等処理水の東電と規制庁のやり
取りを掲載した。

ここで出された問題点を整理するとこうなる。

イ.原発敷地内にあるタンク群960基の「トリチウムしか残っていない」
  と言われた代物が様々な核種が混在していることが判明した。更に、
  毎日発生する170トンも同様である。

ロ.東電のこの問題にたいする対応が、測定人物、人材が枯渇し、JAEAに
  応援を頼んでも有効な対策が出来なくなっているとみられる。

ハ.東電はトリチウム以外の核種についてデータを公表していないが
  アルプス処理水(核種除去設備等処理水)処分それ自体が破綻している
  と見なければならないのではないか?

山本委員長が「長期保管を求める県民の声に沿う姿勢を示した」という
報道もここから出ているのではないかと判断する。



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